第4回:地元民が通う店 ―熱海の小さな名店たち―

熱海には、観光客が並ぶプリン屋や海鮮丼の店とは別に、
静かに続いている店がある。

あるバーのマスターに教えてもらった店を、いくつか巡ってみた。
観光ガイドには載っていないような、生活に根付いた店たちだ。


水口豆腐店

まず訪れたのは、水口豆腐店。
木綿豆腐と厚揚げを買って食べてみた。

豆の香りが強く、味が濃厚だった。
最近スーパーで買う豆腐とはまるで違う、しっかりとした存在感のある豆腐だった。
こういう店が、まだ熱海に残っていることに少し驚いた。


山田豆腐店

もう一軒、山田豆腐店にも足を運んだ。
豆腐と一緒に、豆乳も購入した。

山田豆腐店の豆腐と豆乳 濃厚で何もつけなくても美味しい

パックを開けると、豆腐はぎゅっと詰まったような質感をしていた。
豆乳の方も、甘さより豆そのものの味が前に出ている、しっかりとした味わいだった。
同じ「豆腐屋」でも、水口豆腐店とはまた違う個性がある。
飲み比べ、食べ比べをしてみるのも面白いかもしれない。


村越魚店

糸川沿いにある村越魚店は、少しタイミングが難しい店だ。
訪れる時間によって、商品が並んでいないこともある。

村越魚店 店の上に鷺らしき鳥が止まっていた

店構えは古く、昭和の空気をそのまま残している。
たまたまではあるが、バルコニーには鷺が一羽、当たり前のようにとまっていた。

うまく品が並んでいるときに訪れると、
うなぎの串や鯵のたたき、刺身の盛り合わせなどが並んでいる。

自分で買ってきたお茶割りと共に、刺身盛り合わせをいただいた。川沿いでゆっくり魚を楽しんだ

店の前、糸川沿いの流れを眺めながら、その場で食べることができる。
買ったばかりの刺身を、外の空気の中で別のところで買ったお酒とともに味わう。
観光地の食べ歩きとは違う、静かな時間が流れていた。


西島精肉店

西島精肉店も、商品が並ぶ時間が限られている店だった。
牛肉のメンチや、馬のレバーなどを買うことができた。

こちらも味が濃厚で、しっかりとした満足感があった。
決して大きな店ではないが、地元の人が黙って買いに来るような、
そういう空気を持った店だった。


こういう店が、熱海の日常を支えている

観光客で賑わう駅前とは違う場所に、
こうした店がひっそりと今も続いている。

タイミングが合わなければ商品にありつけないこともある。
それでも、通う人がいるから店は続いているのだと思う。

これからも、こういう店を見つけたら記録していきたい。
熱海は観光地であると同時に、誰かの生活の場所でもある。
その両方を、これからも書いていきたいと思う。